法律コラム

災害への備え-企業にとってのBCP-

このところ日本列島に毎週のように災害が起きています。台風で激甚災害指定がなされるなど、災害への備えは台風の通り道であり、地震や津波警報がほぼ毎週なされている日本では、日常的な備えこそ大切です。 (さらに…)

離婚と住宅ローン債務の解消方法

Q:このたび、夫と離婚をすることになり、婚姻中に購入した分譲マンションは、夫が住み、私は家を出て、ローンの支払いは夫が続けていくということで合意しました。マンションは夫名義で、マンションのローンはまだ、大部分残っていて、夫と私が連帯債務者となっています。夫はちゃんと払っていくと言っており、そのことは離婚の際に書面でも確認してもらうつもりです。夫も住んでいる以上は、ちゃんと住宅ローンを支払っていくと思いますが、こうした対応で十分でしょうか。 (さらに…)

後見人の権限が変わります~民法が改正されました~

1 今回は、最近成立しました、民法改正について紹介します。

この改正により、成年後見人(以下、単に「後見人」と言います。)が①被後見人宛の郵便の送付を受けることと、その郵便の開封ができること、②被後見人の死後に一定の事務を行うことが出来ること、が定められました。

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寄与分~先行する相続での「放棄」は寄与分となるのか?

(設例)

父が亡くなり、遺産分割で、私と母は、それぞれ1000万円程度の現金をもらい、兄は、自宅や田畑で1億円程度、現金で1億円取得するということで、遺産分割協議をしました。このとき、母は、兄夫婦と同居し、今後、母の面倒は兄夫婦が見てくれるという前提で、母も私も、わずかな遺産相続で了解をしておりました。ところが、お定まりの嫁しゅうと関係の悪化で、1年もしないうちに、母は出てきて、私のところで同居しております。その後、兄が急逝してしまいました。兄夫婦には子どもはありませんでした。

このような場合に、母の相続分を決めるにあたって、母が本来の相続分の大部分を実質的に放棄していることや、母の面倒を十分に兄がみていないといったことは、配慮されるのでしょうか。 (さらに…)

司法取引制度の導入に向けて、企業が気をつけることは

先の国会で刑事訴訟法の一部改正がなされ、「司法取引」が導入されることになりました。時代に即した新たな刑事司法制度を構築するための法整備のあり方について、長らく調査審議された上での立法化です。取り調べへの過度な依存を改め、適正な手続の下で、供述証拠および客観的証拠をより広範囲に収集することができるようにするための証拠収集手続の適正化・多様化を念頭に策定されてきたと言われています。 (さらに…)

組織再編と税務署長の「否認」

課税の問題は企業活動では常に気を配るべき重要な事柄のひとつです。

できれば、法人といえども課税は少ない方がよいに決まっています。

 

憲法は、84条で、租税法律主義を定めています。

国家権力による恣意的な課税を許さず、民意を反映した国会の議決による法律によって、定めるという近代憲法の柱の一つです。 (さらに…)

面会交流をさせないと不法行為になる?~近時の裁判例から~

1 今回は、別居している親子の面会交流について、少し前に出された裁判例を紹介します。熊本地裁平成27年3月27日判決とその控訴審である福岡高裁平成28年1月20日判決です。

この裁判は、調停で決められた夫と子どもの面会交流を妻側に拒否されたために精神的苦痛を受けたとして、夫が妻と妻の代理人弁護士に慰謝料請求をした事案です。 (さらに…)

患者が「説明された」「同意した」と納得できるインフォームドコンセント

1.はじめに

インフォームドコンセントが、医療に当たって重要なものであることは、医療にかかわる人のみならず、患者・家族側にも浸透して来ていることは、争いのないところです。しかし、医師や医療機関の側では、未だ、とにかく同意書を取っておけば、後で裁判になっても大丈夫、といった感覚でいる人も少なくありません。そのような発想から、エセ・インフォームドコンセントとでも言うべき、極端に防衛的な運用に接することもまだまだ少なくありません。 (さらに…)

社員の兼業(副業) ~ 違反を問うか、それともコントロールか

多くの企業では、就業規則上、会社の許可無くして他社での兼業を禁じています。一方、最近では、企業業績は悪くないという話もありますが、近年の賃金水準は横ばいか下がっているという状況もあり、また、クラウドサービスやインターネットの活用によって、副業も容易にできるという環境もあり、サラリーマンによる副業(兼業)が増えていると聞きます。週末起業などという言葉も耳にするようになりました。 (さらに…)

交通事故の賠償請求 Q&A

今回は、下記の交通事故の賠償請求に関し、Q&Aでご説明します。

・内縁関係の妻は交通事故で死亡した夫について賠償請求ができるかどうか

・相続放棄と交通事故の賠償請求について   (さらに…)

デイサービス送迎時の事故と自動車保険の適用

1 今回は、最近出された最高裁判決の中から、老人デイサービスの送迎時(降車時)の事故に関する最高裁平成28年3月4日第二小法廷判決をご紹介します。

 

2 事案の内容

デイサービスを利用していたAさん(当時83歳。提訴以前に死亡。)が、当該デイサービスセンターの送迎車から降車する際に骨折し、入院治療を受け、後遺障害も残りました。そこで、Aさんは送迎車両にかけられていた自動車保険の搭乗者傷害特約(後程説明を補足します。)に基づいて、保険会社Bに入院治療費を請求し、支払を受けました。さらに、Aさんが後遺障害保険金の支払いを請求したのが、本件裁判です。 (さらに…)

オリンピックエンブレム問題に学ぶ・・営業マンにも著作権の研修は必要です

 昨年7月発表された旧エンブレムが盗作騒動で白紙撤回されてから8ケ月。4月26日、東京オリンピック2020の新エンブレムが決まりました。旧エンブレムの発表からすぐにベルギーのリエージュ劇場のロゴマークと似ているとそのマークのデザイナーから指摘があり、7月末には国際オリンピック委員会と日本オリンピック委員会に対して、エンブレム図柄の使用差止めを求める文書が送付され、納得がゆく回答が得られないということで、8月にはIOCをベルギーの裁判所に提訴しました。著作権侵害がその主張の内容ですが、どこにでも起きうるエンブレムやロゴマークのトラブルには注意が必要です。ある意味では、日本での著作権に関する無防備さや知識の無さを露呈した騒動であったともいえるのではないでしょうか。 (さらに…)

不良債権の処理は早すぎず遅すぎずに

小規模事業者や中小企業の会社の決算書を拝見すると、長年回収出来ていない売掛金が計上されていることがあります。

 

不良債権でも、売上計上により、その発生年度で、所得として法人税を納付したり、消費税を納付しており、できれば、これを損金として処理することにより、税部分の資金負担を解消したいものです。法人税や消費税の税率を考えると(法人税実務税率35%、消費税8%)、不良債権も損金で処理できれば、税負担の取り戻しで、半分近くが資金回収できることとなります。 (さらに…)

人身傷害保険と賠償請求との関係

自動車保険に人身傷害保険が附帯しているときには、交通事故の被害者になった保険契約者が、自らの契約保険会社に人身傷害保険金の請求をすると、一定の基準に従って、保険金が支払われます。その支払い基準は、保険会社により異なっていますが、加害者に対する賠償請求の基準と比べると低い基準となっています。 (さらに…)

交通事故の示談にあたっては過失相殺にも気を配って下さい!

交通事故の被害に遭った場合、加害者側が任意保険に加入していれば、保険会社の担当者と示談交渉をすることになりますが、保険会社の方からは、事故にあたっては、被害者の方にも落ち度があるので、一定割合を過失相殺(かしつそうさい)するといわれることがあります。 (さらに…)

JR事故最高裁判決を読む~認知症高齢者に対する監督責任~

1 先日、第一審から世間で注目されていた裁判の、最高裁判決が出されました。認知症高齢者の鉄道事故に対する親族の責任を争った事案に関する、最高裁平成28年3月1日第三小法廷判決です。 (さらに…)

職務発明制度の見直しをお忘れなく!~ガイドラインの施行で会社と発明者従業員の関係はどう変わる~

昨年7月に職務発明に関する改正を含む特許法の改正法が公布され、その施行が平成28年4月1日に予定されています。新しい法律では、まず①「使用者は規則をあらかじめ定めることにより、従業者のなした職務発明について特許を受ける権利を原始取得することができる」と使用者帰属制度を導入し、ともすれば、発明の権利の帰属が不明瞭なまま推移し争いになる不安定性を解消しようとしています。また、②「特許を受ける権利を使用者に取得させた発明者(従業者)は、使用者に対して、相当な金銭その他の経済的利益を請求する権利を有する」とし、発明者に相当の利益の支払請求権を認めています。③相当対価を決定するための手続きに関する指針(ガイドライン)が4月1日に経済産業省告示として公表されることになりました。 (さらに…)

遺産分割と寄与分

今回は「寄与分」の話です。

相続人の中に、身分関係、親族関係から見て、通常期待される以上に、「被相続人の財産の維持又は増加に、あるいはその扶養に、特別の寄与があった者」があるときは、相続分に寄与分額を加算するもので、法定相続分による割合を修正するものです。 (さらに…)

遺産分割と特別受益

今回は、「特別受益」の話です。

相続人の中に、生前に遺産の前渡しとなるような多額の贈与を受けた人がいる場合には、相続人間の公平を図るためには、こうした贈与の額を相続財産に加算して、遺産の分割をすることになります。 (さらに…)

養育費、やっぱり請求したい!~離婚後の養育費請求~

未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、養育費というものは、非常に関心の高いものです。いくら支払ってもらえるのか、ちゃんと支払ってもらえるのか、不払いになってしまった時はどうすればいいのか、など気になることは色々あると思います。 (さらに…)

遺産分割と使途不明金

遺産分割の協議をしたり、調停で話し合いをしている時に、多くのケースで問題となるのが、使途不明金(預貯金の無断引きだし)、特別受益、寄与分の問題です。これらはいずれも、機械的で杓子定規な法定相続分を基準とした分割による不公平を是正し、相続人間で公平、公正に遺産分割を進めるために認められた制度でありますが、反面、法律上の要件、立証方法等について、難しい問題があり、話し合いを長引かせる要因にもなっています。今後、3回に亘ってこれらの問題を取り上げ、裁判所での取り扱いを含め、ご説明をしていきたいと思います。  (さらに…)

サラリーマンへの警告~養育費不払の差押は解除できるのか?

給料その他の定期に支払われる金銭の支払い債権を差し押さえる場合には、差押のもととなる債権について支払期が到来していることが、原則です。

しかし、養育費などの扶養に関する債権については、生計維持に不可欠なもので、またその額が少額なのに不払いの都度差押をしなければいけないとなると手続的な負担が重すぎます。そのため、現在では、養育費などの扶養等に関する債権が一部でも不履行になったときは、まだ期限の到来していない将来の分についても、給料、退職金その他の継続的な給付にかかる債権に対して、差押手続が開始できるようになっています。 (さらに…)

空き家対策本格化-実家を空き家にしておくとどうなるの?

誰も住まなくなった空き家は、近隣住民にすれば不安の種でしたが、昨年平成27年5月26日から完全施行された「空き家対策特別措置法」では、①倒壊の恐れや保安上の危険のある状態、②著しく衛生上有害となるおそれのある状態、③適切な管理の行われないことにより著しく景観を損なっている状態、④その他周辺の生活環境の保全のために放置することが不適切である状態にある空き家を「特定空き家」とし、立入検査のほか、持ち主に取り壊しや修理改修をするように、自治体が指導、勧告、命令をすることができるようになり、更に従わないと、行政代執行の方法で強制執行が可能です。 (さらに…)

ビジネスと人権 -人権デューディリエンス

このタイトルを見ても、多くの人はビジネスと人権がどのように関係するのか、ピンと来ないものと思います。

 

スポーツ用品の有名メーカーのひとつに、ナイキがありますが、製造委託先のインドネシア・ベトナムの工場の労働実態が非常に劣悪で、ILO(国際労働機関)の基準を満たしていないものであることが、1997年にNGOにより指摘され、不買運動にまで発展をしていったという事件がありました。今後は、特に供給体制において、委託先の現場監査を徹底せず、人権を無視した苛酷な労働環境で製造された製品については、企業の評価・評判を著しく毀損し、いくら安くても売れないということが十分にありえます。 (さらに…)

中古住宅の購入上の注意点

東京ではオリンピックをにらんで不動産価格の上昇が中古マンションにも及び、その取引量が増えているということです。ところで、日本は欧米に比べて、従来から、中古住宅の取引は活発ではなく、築年数が20年も超えると、売買にあたっては建物部分はほぼ無価値となるばかりか、取毀しの費用分だけのマイナス資産となってしまっているのが実情です。 (さらに…)

国民の祝日に関する話~新年ということで~

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

年末年始のお休みは、みなさんどのように過ごされたでしょうか。今回の年末年始は、カレンダーの関係から、お休みが比較的短い人が多かったみたいです。では、お休みにちなんで、今回は休日についての法律の定め方についてお話ししたいと思います。 (さらに…)

「クレームストーカー」への理解と医療機関等に求められる対策

第1 「クレームストーカー」とは

 

1.その定義

「クレームストーカー」については、明確な定義があるわけではなく、「クレーム」に名を借りた「ストーカー」というほどの意味です。警察庁が認知した昨年の全国のストーカー被害の件数は2万2823件と2年連続して2万件を越え、毎年のように増えてきております。この中に、「クレームストーカー」の被害件数がどの程度含まれているのか、はっきりしません。「クレーム」に名を借りているため、「ストーカー」としてカウントされているかどうかさえも疑問です。 (さらに…)

音や動きの新しいタイプの商標に関心集まる―企業を印象付ける方法

今年4月1日施行された改正商標法では、従来は文字、図形、記号、立体、それらの結合やそれらの組み合わせ色彩のみが認められていたに過ぎなかったところ、これに、「音」、「動き」等の新しいタイプの商標が加わりました。 (さらに…)

日総研「病院安全教育」においてインフォームドコンセントに関し、執筆しました。

日総研出版の隔月刊誌「病院安全教育」2015・2016年12・1月号の「あらためて見直す訴訟対策と説明義務とインフォームドコンセント」という特集の中で、「患者が『説明された』『同意した』と納得できるインフォームドコンセント」と題して執筆をしました。

  

愛知県不動産コンサルティング協会主催のセミナーの様子

平成27年11月24日 名駅前の「ウインクあいち」にて、愛知県不動産コンサルティング協会主催の研修会で「民法改正の不動産取引に与える影響について」と題して、講師を務めました。今年、民法改正法案は、提出されたものの国会で審議されず、持ち越しとなっていますが、先を見越して、不動産取引の実務上の工夫や対策をしておくことは必要なことだと思います。(池田伸之)

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