海外に口座を持つときは、対策を-海外相続財産トラブル、その前に

日本人が海外に財産を保有していた場合、海外の財産も相続の対象となります。海外の財産が、どこにいくらあるか把握できないと、遺産分けの手続も進みません。アメリカ、英国、オーストラリア等に相続財産が残されていた場合、その国毎に遺産に関する法律や手続に違いがあります。結構、手間が掛かることがあります。アメリカの場合は、プロベイドと呼ばれる制度があり、一般的に財産を処分する管理者を選定し、税金の支払いや借入金を処理した後、残った財産を相続人が分けるという手続になります。この一連の手続には、早くて1年、場合によっては、数年掛かると言われています。プロベイドは裁判所の手続なので、現地の弁護士に依頼する必要があり、ちょっとした財産でも弁護士費用に100万円前後のお金が掛かると言われています。そのため少額と分かっている場合には、財産を放棄する人も多いようです。

海外に財産がある人は、本拠地である日本に帰って来る前に手続をして引き出しておくか、あるいは、様々な受取を必要する場合や口座を必要とする場合、あらかじめ、複数人の名義にしたり、死亡時の引受人を決めておく等、つまり本人または代理人としてその口座の出し入れを出来る人を決めておくのが望ましいと思います。

勿論、代理人を指名するのは存命中のことですから、亡くなった後のことは、予め用意した遺言書によって回収を行うことになります。この時の注意点ですが、日本では、遺言の方式として全文、日付を自署して押印すれば証人がなくても足る自筆遺言が有効とされていますが、アメリカでは、証人の立会もなく遺言として有効とされるのは、信じがたいようです。出来れば公正証書遺言を作成されることをお勧めします。仮に海外に赴任しているときに、日本語での遺言を作るときには、赴任先に日本の大使館、領事館があるのであれば、領事を公証人の代わりとして公正証書遺言を作成することが可能です(民法984条)。

なお、こうした点をテーマに3月31日、当事務所主催のセミナー「どうしよう!?米国の口座~沈んだ口座を救い出す~」を米国の銀行業務、資産業務に詳しい野上陽子さんの講座を開催します。

申込書は、http://9552b79cda778c6.lolipop.jp/news/data/20150305135758.pdf にあります。                                <池田 桂子>